2021年08月05日

【日記】娘が生まれました。


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妻と僕は広島〜東京の遠距離恋愛を経て結婚した。
2018年の夏、僕が広島へ歌をうたいに行き、彼女がその会場の音響を担当していたことが出会いのきっかけだ。


僕はできることなら好きな人と四六時中一緒に居たいと思うタイプなので、じつは遠距離恋愛に対して多少不安を感じていたのだけれど、意外と何の問題もなかった。
それというのも、現代技術というのは凄いもんで。
LINEやSkypeなんかで無限にテレビ電話ができてしまうわけである。

仕事から帰っては繋ぎ、就寝中も繋ぎ、翌朝出勤時間に切る。みたいな。
なんつーかほぼ同棲しているような感覚だった。




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結婚まで、トントントンと進んだ。
遠距離恋愛であることがむしろ僕らの背中を押した気がする。
テレビ電話でもこんなに楽しいし、もっとたくさん会いたいし、じゃあ早く結婚しちゃおう。そんな感じだ。
驚くほど何の迷いもなかった。


僕はそれまでの人生において、結婚という行為がやたら高いハードルに思えていて。「生涯愛し合えるだろうか」とか「家庭を守る責任を全うできるか」とか、そんなプレッシャーを感じまくっていたのに。

そして付き合って約11か月で僕らは籍を入れた。


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入籍から数ヵ月後に妻が東京に越してきた。
晴れて夫婦としての生活が始まったわけである。
日々は想像通り、いや、想像以上に楽しく幸せだった。

新生活早々コロナ禍でろくに外出もできない状況だったけれど、一緒に居るだけでなんか楽しい。
ふたりで部屋の模様替えしたり、映画見たり、めし作ったり。
何でもないようなこと一つ一つで笑みがこぼれた。
もちろん喧嘩もたまにしたけれど、結局仲直りするので毎日楽しいのである。
なんだよ、結婚って最高じゃねえか。


あまりにも楽しいので「子供はもうしばらく後でいいね」なんて話していたら、妻が妊娠した。
存外ビビったりすることもなかった。
嬉しかった。

まじか!すげええええ!と言って僕は笑いながら喜び、妻は泣きながら笑った。


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妊娠中の女性はホルモンバランスがどうこうでメンタル面が不安定になったり、つわりが辛かったりするんです。
という話を色んなところで聞き、色んなサイトで読んだ。

妊婦向け雑誌には旦那向け小冊子なんつーものもあったりして。

『不安からイライラが生じるので気遣いの声をかけてあげましょう』
『それにより奥さんが気分を害したら素直に謝りましょう』

的なことが無数に書いてあった。
やだ理不尽すぎる。

さいわい僕の妻にそんな変化は起こらなくて。相変わらず優しかった。




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次第に大きくなるおなか。
妻のおなかを触る度、子どもがここにいるんだなと思い、不思議な気持ちになった。


安産祈願には鬼子母神へ行った。
御堂に通され、お坊さんがお経を唱えてくれる。
唱えながら木魚を叩くんだけれど、その音量とリズムがめちゃくちゃに激しい。
カンカンカンッカッ!カンカカンッ!カッ!!つって。
耳が痛すぎてちょっと笑った。



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初産ということもあり、広島で里帰り出産させてもらうことにした。
出産予定日の約2か月前から妻は実家に帰省。
ちょうどゴールデンウィークだった。
僕も広島に付いて行き、しばらく泊まらせてもらった。


しかし連休なんてあっという間に終わってしまい、僕は東京に戻らなければならない。
さみしくて、そのまま妻の側に居たかった。
ただ妻もとてもさみしがっているのが目に見えてわかり、こんなこと言うのもあれだけど正直嬉しかった。

こういう時に似た感情を持てる同士だからこそ、僕たちは何の迷いもなく結婚できたのかもしれない。
久しぶりに遠距離恋愛だなっつって、僕は新幹線に乗った。



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広島と東京で、結婚前にしていたようなテレビ電話生活が始まった。
ただあの頃と違うのは、就寝前に通話を切ること。

さすがにお父さんお母さんに睡眠通信を知られるのは妻も僕もはずかしかった。
ただやはり僕としては妻が隣に居ない寝床というのがさみしく。
毎晩巻いた掛布団に抱き着いて眠った。
歳三十五にして疾風怒濤の幼児プレイである。



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コロナ影響を防ぐため、妻は広島入りして2週間経ってから産婦人科に行った。
そして我が子が女の子であることがわかった。
広島の産婦人科には4Dエコーがあり、娘の顔を立体的に見ることができた。
写真のようとは言えないが、すごい。




ますます大きくなるおなかを、僕はテレビ電話越しに毎日眺めた。
日が経つにつれて何だか緊張した。
妻の身体も、子供が無事生まれるかも、心配でたまらない。


予定日より4日前の夜、妻は陣痛を感じ始めた。
話している途中で急にスンとした表情になり「ちょっと痛いかも」と。
そして夜明け前にいよいよという状態となり、妻は病院へ行った。
朝を迎え、午前中に妻とLINEで「これは今日出産くるね〜」なんてやり取りをしていたんだけれど、途中で返信がなくなった。

間違いない、今やってる。
絶対産んでる。

僕は仕事をしつつも、とても気になっていた。
コロナ禍につき立ち合い出産は認められなかった。
本当は仕事を休んで妻の側に居たかった。
俺がここに居るからと言ってあげたかった。



テレワーク。
僕は自宅の仕事部屋で連絡を待った。
そして。


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2021年7月1日(木)
娘が生まれた。

スマホにテレビ電話の通知が入り、急いで取った。
「なおくん、産まれたよ」と言って、汗だくの妻と新生児が映っている。

うおおおおおおおお!と言ったと思う。
続けて、ナイスガッツとか言ったと思う。
赤ん坊はしっかり泣き声を出し、妻はヘトヘトながら最高の笑顔を見せてくれた。
心の底から嬉しかった。
めちゃくちゃほっとした。
今すぐ広島に行ってふたりとも抱きしめたかった。

ただ、やはりそこはコロナ禍。
妻が退院しなければ会いに行けないので、一週間のがまんである。
待っていてくれ妻よ、娘よ。


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一週間後、母子ともに無事に退院した。
週末に僕は急いで広島に向かった。
家のドアを開け、妻と子が迎えてくれる。

ああ、抱きしめたい。
しかし手洗いとうがいをしなければ。

「ちょっと手ェ洗ってくるぅ!!!」



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娘の名前は「凪(なぎ)」
僕は彼女のことを親しみを込めて「なぎまる」と呼んでいる。



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首の座らない彼女を抱っこして、最高。



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覆いかぶさって、最高。



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鼻ほじってもらって、最高。



もはや何をしても最高なのである。
なぎまるが粒マスタードみたいなウンチをしても最高だし、僕の沐浴が下手くそすぎて泣いてしまっても最高。
将来もし途轍もない反抗期が訪れたとして、たとえ世界を嫌いになってもパパのことは嫌いにならないでください!と本気で思う。

言われたい。パパのお嫁さんになる!と言われたい。
よもやそういった教育プログラムを組まねばなるまい。


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妻を実家に送り届けたゴールデンウィークもそうだけれど、連休というのは束の間である。
時間が矢のように過ぎ、僕はまた東京に戻った。
産後育児の多忙さから、これまでのように毎日テレビ電話をすることは難しく、僕は妻と娘と暮らせる日をただ待つ。
何も手伝えない。
妻に「ありがとう」「がんばれ」と声をかけることしかできない。


そして2021年8月現在、都会を中心にコロナ感染者は爆増中。
オリパラが終われば収束するってものでもないんじゃないかなと、個人的には考えている。
この状況下で渦中の東京に妻子を迎えるべきか、僕たちの間で結論はまだ出ていない。


しかし、妻が送ってくれる写真や動画に映るなぎまるは、見るたびに大きくなっている気がするのだ。
表情が増え、顔つきもどんどん変化している。そう感じてしまう。
もしかしたら僕は生後数ヵ月間の娘の成長を見逃してしまうのかもしれない。
今はそれがとても悲しい。


ただ、これから先の僕の人生に妻と娘が居てくれるのだから、こんなに幸せなことはないなと思う。
僕らが家族で暮らせるその時を、旦那として、父として、心待ちにしている。




posted by 佐藤直 at 20:39 | Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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