おかしい。
高校生のとき眼鏡屋さんのおっちゃんに
「大人になったら視力落ちなくなるから。下げ止まり的な。」
と言われた筈。
だがしかし俺の視力はまだまだ留まるところを知らず、今もなお順調に低下している。
これが底なしのポテンシャルというやつなのか。
それとも齢34にして未だ大人になり切れていないということなのか。
とにかくこのままではディズニーから何らかの侵害として訴訟を起こされかねない。
おまえその眼球ピーターパン!つって。
ただそこはどうだ、ウォルトの怒りを承知で異を唱えなければと心に決めている。
果たしてピーターなのだろうかと。
ここ数年残尿感も顕著だし最近は股関節なんかも痛いわけで、全体的に見れば素人目にも明らかなピーター感不足。
ほうれい線の具合なんかどちらかというとフック船長の著作権を侵害しているんじゃないかと心配である。
で、そんなフック佐藤が。
この度めでたく眼鏡を新調したわけです。
眼鏡産地福井に生まれた者としてやはり。
福井県鯖江市のやつにしようと。
金子眼鏡店さんやっとりますかと。
『かねこめがねてん』だと思ったら『かねこがんきょうてん』なんだってさ。
全然しらなかった。どうも、福井人です。
いざ銀座並木通り店へ。
型番:T467 BK
ラウンド形状のメタルフレームを購入した。
使われている素材はサンプラチナという合金だ。
金属アレルギーを引き起こす可能性が低くて、腐食もしにくくて、むっちゃ硬いという性質上、眼鏡とか歯科の素材としてよく使われていたが今はメジャーではないらしい。
ちなみに現代の主流はチタン。
チタンもアレルギーが起きにくくて、腐食しにくい。
そしてなんつっても強みは軽さである。
比重はサンプラチナの約半分だ。
じゃあチタンの方がいいじゃねえかと思うわけだけど、ところがどっこいである。
針金みたいなメタルフレームは持ち比べてみても正直どっちも全然重たくなかった。
そんでもってサンプラチナの方が加工が難しく、磨きなんかは特に熟練の技術を要するとのことで。
なんつーかこう、胸にぐっと響いたわけです。
「熟練の〜」というフレーズはいつだって俺達のハートをくすぐってやまない。
井戸多美男さんの手造りだそうで、テンプルには金色で「井戸多美男作」「手造」という文字が記されている。
テンプルの先っちょのがクニョっと曲がっているデザインがめちゃくちゃ格好良くて好きだ。
フレームはこれまでセルかブローしか持っていなかったのでメタルは新鮮である。
どこから見ても俺の好みである。
レンズはめ込みの期間は約2週間。
使用するレンズメーカーは憧れのカールツァイスだ。
そう、多くのカメラボーイ達を魅了するあのドイツ老舗レンズメーカーである。
俺もカメラボーイ(34歳)として何だかドキドキしてしまう。
お、お、俺がボディで眼鏡がレンズ・・・ということか!!
そんなこんなで待ちに待った受渡日当日、改めて銀座並木通り店のドアをくぐった。
店員さんの人当りがむちゃくちゃ良く、俺みたいなもんのこともちゃんと覚えてくれていて話していて楽しい。
フィッティングもかなり細かく調整してくれて、完成した眼鏡の掛け心地は最高だった。
眼鏡自体が軽量なこともあるが、重心のバランスが絶妙で重みを感じさせない。
耳の上も締め付けられず痛くないけどズレない。
これが!これが福井の眼鏡産業!!
歴代の眼鏡も福井人としてほぼ福井産を所持してきたが、今回の眼鏡もまた素晴らしい。
丸眼鏡具合はどことなく雪代縁を彷彿させるし、今後は虎伏絶刀勢の構えを生活に取り入れてゆきたいと思う。
良い買い物をした。




